作成日:2020/04/11
【ご参考:産業医有志による情報発信】企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年4月10日



 

以下、産業医有志の先生方による情報配信を共有させて頂きます。
内容等につきましては、恐れ入りますが弊所へのご質問等をお受けすることが
できませんので、配信下の問い合わせから各企業様よりご連絡くださいますよう
お願い申し上げます。

ウィズ社会保険労務士事務所
代表・特定社会保険労務士 山口ひろみ



企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020410

 

 

3     発熱者の職場復帰時期の目安

 

経営者・総務人事担当者のみなさま、貴社で発熱者が出た場合の対応手順はお考えでしょうか?医療機関で感染していないことを証明してもらう(陰性証明)ことは困難ですし、また増加する患者の対応で逼迫する医療機関にそのような証明を求めるべきではないでしょう。

 

発熱や呼吸器症状の申告があったので自宅待機を命じたものの、PCR検査は受けられず陰性か陽性か分からないといったケースも増えてくることかと思います。そのような場合の職場復帰手順を事前に検討しておくことも重要です。

 

1.課題の背景:

 

産業医をしていて企業担当者からよく頂く質問の一つが、発熱者の職場復帰時期の目安です。

 

特に3日以内に解熱をしたケースや、4日以上の発熱が続いたがPCR検査を受けられなかったケースなど、復職のタイミングをどうするか頭を悩ませている企業担当者は多いことと思われます。元々少ない人員で運用している職場など、あまり自宅待機期間が長すぎても本人や周囲の不利益につながったり、短かすぎても職場の集団感染を招いたりと、判断に迷うところでしょう。

 

また、発熱者と濃厚接触があったと考えられる社員に対してどのような対応をとったらよいか(自宅待機を命じるべきか等)も、同様に頭の痛い課題であることが考えられます。

 

2-1.企業でできる対策(1):発熱者本人に対する対応

 

○すべての症状が消失してから48時間の自宅待機期間をもつ

○職場復帰後も4週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

〇職場で3つの密がないかをチェックし、極力そのような状況を避ける

 

 日本渡航医学会と日本産業衛生学会が合同で公開している新型コロナウイルス情報(32日版) では、自宅待機後3日以内に解熱した場合について、「職場に復帰させるタイミングの目安は、各種薬剤の内服のない状態で発熱、咳、喀痰、下痢、全身倦怠感などが消失してから48時間以降が望ましい」とされています。

 

  これを目安に考えますと、3日以内に解熱したケースや4日以上の発熱があるもPCR検査を受けられなかったケースにおいて、すべての症状が消失してからも48時間は自宅待機の上、出社して頂く必要があると思われます。

 

 ただし感染者であった場合、ウイルスの排泄期間は比較的長く、また再陽性となる場合もあるため、復職後も4週間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。

 

 また、念のため、職場で3つの密(換気が悪い密閉空間、人が密集している、近距離での会話や発声)を満たす状況がないかを確認し、極力そのような状況を避けるようにしてください。

 

2-2.企業でできる対策(2):発熱者と濃厚接触が疑われる社員に対する対応

 

2週間程度は衛生対策の徹底と毎日の健康観察を続ける

 

新型コロナウイルスへの感染が確認できていないことから、濃厚接触が疑われる社員(一緒に食事をとった、2m以内での会話があった等)の自宅待機措置までは不要かと思います。ただし、14日間程度は衛生対策(外出時のマスク着用、顔やマスクを触る時や食事前などの手洗いの徹底)と健康状態の毎日の確認(毎朝の検温)をお願いし、発熱や風邪症状があればすぐに報告してもらうようにしてください。

 

3.           関連情報リンク:

 

日本渡航医学会産業保健委員会、日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会: 新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策 Q&A版(2020324日)

https://www.sanei.or.jp/?mode=view&cid=416

 

日本渡航医学会産業保健委員会、日本産業衛生学会海外勤務健康管理研究会: 新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(202032日)

https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19info0302koukai.pdf

 

日本感染症学会:岡崎医療センターにおけるSARS-CoV-2無症状病原体保有者のPCR陰性化状況

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200313.pdf

 

文責:今井 鉄平(OHサポート株式会社・代表/産業医)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

 

今後も経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信させて頂きます。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。

 

※本内容に関するご意見・ご要望は、covid19@ohsupports.comまでお寄せください

 

※これまでに配信しましたバックナンバーは、http://www.oh-supports.com/corona.htmをご参照ください

 

 

 


 

 

 
 


セキュリティアクションロゴマーク 2つ星

 


PiiP HP用


法テラス バナー


厚生労働省


日本年金機構 Japan Pension Service

全国健康保険協会(外部リンク)